脳卒中・心臓病等総合支援センターとは

ご挨拶

この度、徳島大学病院に新設されました脳卒中・心臓病等総合支援センター長に就任しました循環器内科の佐田です。脳神経外科の髙木副センター長、多職種のセンタースタッフの方々と力を合わせて、徳島県民の方を脳卒中や心臓病から守るために頑張っていきたいと思います。循環器病は、突然発症して、死亡もしくは寝たきりなどにつながり、健康寿命を縮める最大の要因です。しかし、その多くは、事前の健康診断で予兆を検出したり、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を早期に治療することで、防ぐことが可能です。

本センターは、多くの県民の方からの御質問に答えて、適切に医療を受けていただき、重大な脳卒中や心臓病になることを防ぐことを支援させていただくことを目的で設置されました。皆さま並びにご家族を守るために、気になることがありましたらどうぞ遠慮なくご相談ください。

脳卒中・心臓病等総合支援センター センター長 佐田 政隆

モデル事業の概要

脳卒中、心臓病その他の循環器病は、徳島県はもとより、全国でも主要な死亡原因であるとともに、介護が必要となる主な原因となっています。2019年の人口動態統計によると、本県の死因順位別では、1位「悪性新生物(24.6%)」、2位「心疾患(14.6%)」、3位「老衰(9.3%)」、4位「肺炎(8.6%)」、5位「脳血管疾患(7.2%)」であり、「心疾患」及び「脳血管疾患」はいずれも死亡原因の上位を占めています。さらに、2019年の国民生活基礎調査によると、介護が必要となった主な原因に占める割合は、「脳血管疾患(16.1%)」、「心疾患(4.5%)」であり、両者を合わせると20.6%と最多となっています。

脳卒中や心臓病は、遺伝的素因をベースに生活習慣が重なり発症する生活習慣病の合併症として急性発症する疾患であり、回復後においても「増悪」と「寛解」、「再発」を繰り返すことがあることから、「急性期」・「回復期」・「慢性期」・「在宅医療」・「介護期」に至るまでシームレスな医療・介護体制の整備が必要です。

こうした課題に対応するため、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が2018年12月に成立しました。国によって策定された「循環器病対策基本計画」に基づいて、地域の実情に応じた徳島県循環器病対策推進計画が全国に先駆けて、2021年10月に成立しました。

この計画では、「保健、医療及び福祉に係るサービスの提供 体制の充実」として、脳卒中・心臓病等(循環器病)患者を中心とした包括的 な支援体制を構築するため、多職種が連携して、総合的な取組を進めることとしています。この取組を効果的に推進するためには、専門的な知識を有し、地域の情報提 供等の中心的な役割を担う医療機関に脳卒中・心臓病等総合支援センターを 配置し、県と連携を取りながら、地域の医療機関と勉強会を開催したり、支援方法などの情報提供を行うなど協力体制を強化することで、包括的な支援体制を構築し、地域全体の患者支援体制の充実を図ることが必要と思われます。

厚生労働省は、この事業を全国で進めていくにあたって、まず10都道府県を選別して先行的 に実施し、検証を行うことを目的として、令和4年度脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業を公募しました。徳島大学病院は応募して、見事採択されました。8月1日に脳卒中・心臓病等総合支援センターを設立して、各種事業を進めていっています。